Canon EOS R6 MarkIIで動画撮影を行う際、Log設定におけるISO感度の選択は画質に大きな影響を与える。特にC-Log3では、ISO800が基準となることで、ダイナミックレンジが広がる一方、ISO100では2段分狭くなるという実測結果が得られた。これは静止画とは異なる挙動であり、Canonの内部処理や階調優先設定との関係性が浮かび上がる。Log撮影のメリットとデメリットを改めて問い直す、実験的かつ哲学的な考察である。
EOS Rシリーズで動画のLog撮影時、基準ISO感度は800、400になる
CANON EOS R6 MarkIIの動画でC-Log3撮影時に基準ISO感度が800になります。
(C-LogはISO400)
説明書にも記載があり、実際にそうなります。

ISO800未満に設定すると拡張感度となり、ダイナミックレンジは狭くなります。

ISO100で撮影すると、日なたでは標準露出でも白い部分が白飛びします。これは写真ではあまり見られない現象です。
実際のダイナミックレンジの違いは以下の通りです。
| ISO800 | 13.3stop | |
| ISO400 | 12.6stop | -0.7 |
| ISO200 | 12.0stop | -1.3 |
| ISO100 | 11.3stop | -2.0 |
ISO800を基準にすると、ISO100ではダイナミックレンジが2段狭くなります。
静止画でのダイナミックレンジはWeb情報で11.52stop。動画のISO800はそれより約2段広い計算になります。
高輝度側階調優先との関わり(予測)
EOS DIGITALシリーズの高輝度側階調優先は、設定ISOより1段低い感度で撮影し、1段持ち上げて保存する機能です。これによりハイライト側の粘りが増しますが、暗部ノイズは増加します。
例えば、
高輝度階調優先ON ISO200 → 実際はISO100で撮影し、+1段補正して保存。
C-Log3のISO800は、内部的にはさらに2段低いISOで撮影している可能性があり、合計3段分ハイライト側に余裕を持たせていると考えられます。

Canon Logの画質に関する注意
- 被写体や条件により横縞状ノイズが発生する場合があります。事前テスト推奨。
- 空や白壁などでグラデーションが滑らかに再現されない場合があります。
- やや暗く平坦な被写体でノイズが出やすく、ISO800程度でも発生することがあります。
- ノイズが目立つ場合はやや明るめに撮影し、後で調整すると軽減できます。
また、Canon Log撮影時は低輝度や低コントラスト被写体でAFが合いにくくなることがあります。明るいレンズや開放絞りの使用が有効です。
Canon Log 3設定時は暗所や低コントラスト被写体でAFが合いにくくなる場合があります。小絞り側ではさらに合焦しにくくなることがあります。
Logの基準感度をISO100にすれば多くのデメリットは解消されそうですが、仕様上そうはいかないようです。