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「素人参入」を嘆くプロへ。お客様に確認権を渡さず、背面液晶で「見せているつもり」のままでいいのですか。

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──なぜ私は「確認権」をお客様に渡し続けるのか

最近、SNSなんかを眺めていると、多くのカメラマンが「素人の参入」を怖がっている声をよく見かけます。「業界の価値が下がる」とか「一生に一度の記念日を素人に任せるのは危険だ」とか。 僕から見ていると、そんなことに怯えている時点で、その「プロ」はもう定義を見失いかけているようにも感じます。

誰が参入してきてもいいし、選ぶのはお客様。それは自由です。 ただ、僕がずっと違和感を感じているのは、プロを名乗る側が、技術や覚悟ではなく「情報の隠蔽」や「既得権益」で商売をしようとしている空気感です。

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時代は変わったのに、都合よく残された「密室」

そもそも、撮った写真をその場で見せない、見せられないというのはフィルムの頃の話ですよね。当時は物理的に現像するまで誰も見ることができなかったから、お客様は仕上がりを信じて待つしかなかった。それは仕方のないことでした。

でも、今はデジタルです。撮った瞬間に結果は出ている。 技術的には見せられるはずなのに、いまだに「終わるまで見せない」がこの界隈の美徳とされているのは、本当におかしな話です。

「世界観を壊したくない」なんて、僕にはどうしても、都合のいい言い換えに見えてしまう。 結局、フィルム時代の「見せられない」という制約を、今のプロたちが「見せなくて済む」という自分たちの都合にすり替えて、温存しているだけなんじゃないかな。

逃げ道のない「FLVS™」という覚悟

僕が12年以上回し続けている「FASCINO LIVE-VIEWING SERVICE™(FLVS™)」。 これを「単なる便利なシステム」だと思っている人が多いけど、本質はそこじゃないんです。これは僕自身を「検証」という逃げ場のない場所に追い込むための、いわば踏み絵なんです。

シャッターを切った瞬間に写真が晒される。失敗もそのまま表示される。 「プロが失敗を見せちゃいけない」なんて言う人もいますが、僕はそうは思いません。 すべてをさらけ出して、その場で新郎新婦様と納得を積み上げていく。その「不都合な真実」まで共有できる覚悟があるかどうか。

実際、商業写真のスタジオ撮影の現場なら、FLVS™と同じようなシステムはあって然るべきものです。シャッターを切った瞬間に大きなモニターに写真が飛んで、クライアントと全員でチェックしながら進めていく。そこには何も珍しいことなんてないんです。

ただ、それがロケ中心の記念写真界隈になった途端、なぜか「プロの聖域」みたいな言葉でブラックボックスにされてしまう。僕は、スタジオでやっていることをロケでもやればいい、と思っているだけなんです。やり方を考えればいい。答えはあるんだから。

「渡せない」背面液晶、「渡せる」8インチ

最近では、カメラの小さな背面液晶をちょいと見せて「こんな感じです」とやるカメラマンも増えました。それで「確認権を渡している」つもりになっている。だが、それは「共有」ではなく、ただの「アリバイ作り」です。

太陽光の下、3インチ程度の小さな画面を覗き込ませて、何が確認できるというのか。表情の微細なニュアンス、衣装のわずかな乱れ、背景のノイズ。それらを放置したまま「見せた」という事実だけを作り、暗い画面でお客様に「いいですね」と言わせて責任を転嫁する。それはプロの誠実さではなく、単なる「怠慢」です。

私がFLVS™で8インチのタブレットを現場に持ち込むのは、機材を自慢するためではありません。背面液晶とは比較にならない「解像度」と「サイズ」で、お客様と等身大の真実を共有するためです。

8インチという画面は、ごまかしが一切きかない広さです。シャッターを切った瞬間にそこに映し出されるのは、言い訳不能な「結果」。背面液晶で済ませているうちは、まだ自分のミスが露呈するのを恐れているのでしょう。 巨大なモニターを晒すということは、一投ごとに「判定」を下されるマウンドに立つのと同じです。その「晒される恐怖」を、プロとしての「覚悟」で上書きできない人間に、一生に一度の重みを背負う資格はない。

仕組み自体は、すべて公開しています。

プロの価値は「透明性」で決まる

「素人が怖い」と嘆く前に、お客様に確認してもらう仕組みを作ればいい。 そうすれば、誰が本気で向き合っているか、誰がその瞬間に責任を持っているか、新郎新婦様が一番よく分かってくださいます。

結局、プロの価値って「機材」や「肩書き」ではなく、お客様に対してどこまで透明でいられるか、その「覚悟の量」で決まるんじゃないかな。 情報の非対称性に依存して、「お任せください」の一言でプロセスを隠してしまうのは、不誠実の極みだと思っています。

これが正解だとは言いません。ただ、逃げない選択肢は、もうここにあります。 これからも、そんな現場を続けていこうと思っています。 新郎新婦様が、心の底から納得できる前撮りのために。

#正論は嫌われる

FASCINOのFLVSでタブレットで写真を確認する新郎新婦様

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