中型車は中型車(8t)に限る

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“中型車は中型車(8t)に限る”

平成19年6月2日の道路交通法改正で、それまでに普通一種二種免許を取得していた人は中型?限定付?き免許に繰り上げられた。
“中型車は中型車(8t)に限る”
これは何の事か意味が解らない人が大半だろう。
言葉の意味をそのまま解するなら、「8tの中型車のみに限り運転できる」という事になる。

限定なしの中型免許で運転できる車両は

警視庁 中型自動車・中型免許制度について

  1. 車両総重量:5t以上、11t未満
  2. 最大積載量:3t以上、6.5t未満
  3. 乗車定員:11人以上、29人以下

となっている。
8t限定で運転できる車両は上記の内

  1. 車両総重量:5t以上、8t未満
  2. 最大積載量:3t以上、5t未満
  3. 10人以下

という事だから
“中型車は中型車(8t)に限る”を正しく表記するならば“中型車は中型車(車両総重量8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下)に限る”としなければ意味がわからない。

ここまでは調べたら分かる範囲。
ずっと疑問に思ってたことがあって、警視庁に問い合わせてみた。
それは条件違反した場合の罰則。

“中型車は中型車(8t)に限る”と記載された免許証で
車両総重量8t以上、11t未満
最大積載量5t以上、6.5t未満
乗車定員11人以上、29人以下
の車両を運転したら条件違反になる。
それ以上の車両を運転したら無免許。

平成19年6月2日の法改正以前の普通免許で
車両総重量8t以上
最大積載量5t以上
乗車定員11人以上

を運転した場合は無免許運転になり、罰金・違反点数は無免許運転のものが適用されていた。
しかし、法改正で普通免許から中型免許に繰り上げられた場合は中型免許の範囲であれば無免許ではなく条件違反にしかならない。

警視庁 交通違反の点数一覧表
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表

免許条件違反
点数2点
反則金9千円(中型車も大型車の反則金が適用される)

平成19年6月1日以前の違反点数及び罰金はわからないけど現行法を例に挙げたら
無免許
点数25点に加え、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
となる。

反則金で済む範囲なら納付すれば刑事罰にはならないが、罰金が課せられる違反になると刑事罰になり、犯罪者となる。

目が悪い人が多いから免許証の条件欄に眼鏡等と記載されている人は多いだろう。
メガネやコンタクトをつけずに運転したら条件違反が適用され2点、9,000円になる。
8t限定中型免許で積載量5tのトラックや25人乗りのマイクロバスを運転する事は、これと同じ条件違反にしかならない。
どちらが危険かは一概には言えないけど、視力0.01の人が裸眼で普通車を運転するより、運転技術が高い人が8t限定免許でマイクロバスを運転するほうが危険度は低いだろうね。

一般的な認識としては(これも知らない人も大勢いるけど)以前の普通免許ではトラックは4トンまで、乗車定員は10人まで運転できるだった。
普通免許が中型免許(限定付き)に切り替わり、8t限定中型免許になったが運転できる車両の範囲は全く変わらない。

しかし、今まで無免許運転になっていた範囲に?軽微な違反?で済む範囲が出来た。

現在、普通免許から繰り上げられた中型免許(8t限定)を持ってる人は25人乗りのマイクロバスや積載量6tのトラックを運転してはいけない。
だけど、もし運転して捕まっても無免許運転ではなく条件違反にしかならない。

以前、自動二輪の免許区分が小型・中型・限定解除だった頃に、中型免許しかないのに限定解除の範囲(400cc以上)のバイクに乗ってる人が沢山居た。
その頃は条件違反の反則金が2,000円か3,000円くらいで、違反点数の加点は0だった。

大型二種、牽引二種、大型特殊二種、大型自動二輪の全て最上位免許を持っている自分には、この限定条件は直接的に関係ない。
関係有るのは免許マニアとしてである。
中型より上位免許である大型を所有してるのに、普通から中型へ繰り上がった人と同じように条件欄に8t限定が記載されている。

大型を取得してなくて、普通から中型へ繰り上がった人の場合、8t限定を限定解除する事が出来る。
限定解除試験を受ければ良い。
しかし、既に上位免許を所有している場合はその限定解除試験が受けられない。
既に受けている大型免許で限定なし中型の範囲も運転できるから。

もし中型8t限定の記載を消したければ上位免許を一旦返納して中型限定解除しなければならない。

上位免許である大型1種・2種を所有していても8t限定が記載される理由は
大型を返納した場合や、深視力検査に通らなくて大型の更新が出来ない場合に、8t限定免許になる為らしい。

8t限定中型免許と限定なし中型免許では、免許更新時の視力検査内容が異なる。
限定なし中型免許と大型免許の場合は深視力検査がある。
3本の太めの線香のような物が箱の中に並んでいて、真ん中の一本が前後する。
その3本が並んだ瞬間にボタンを押して連続2回か3回成功したら深視力検査通過というもの。

まだ疑問はある。
普通免許から8t限定中型免許に繰り上がった人が中型限定解除を行って、その後深視力が通らなかった場合は8t限定に戻るのか、現行普通免許に落とされるのか。

また気が向いたら警視庁に電話してみよう。

※追記
上の件さっそく警視庁に問い合わせた。

“中型車は中型車(8t)に限る”の限定を解除した後に深視力を落とした場合

疑問はすぐ解決したくなる性分。
警視庁に問い合わせてみた。

この中型8t限定は試験場で試験を受けるか教習所で教習を受けたら限定解除が出来るのだけど、限定解除したら免許更新の時に深視力検査を受けることになる。

もし深視力検査が通らなかったら、中型8t限定免許に戻るのではなく普通免許に降格させられる。

中型8t限定免許で乗れる車両は次の通り

  1. 車両総重量:5t以上、8t未満
  2. 最大積載量:3t以上、5t未満
  3. 乗車定員:10人以下

中型8t限定を解除して乗れるようになる車両は次の通り

  1. 車両総重量:5t以上、11t未満
  2. 最大積載量:3t以上、6.5t未満
  3. 乗車定員:11人以上、29人以下

中型8t限定の解除をした後に免許更新で深視力を落としてしまうと、普通免許になるので中型8t限定で乗れていた、積載量3tトラックや4tトラックは運転できなくなる。
8t限定のままだったら免許取り消しか返納するまで運転できるのに。

おかしな話だと思うけど、そう決まってるものは仕方ないね。

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この記事を書いた人

博多生まれの博多育ちで中央区在住。
職業は写真屋+陸送屋。
海、マリンスポーツ、車(デリカD5)いじり。
船釣り。 ガジェット系も好き。

所有免許 
車:大型二種 大型特殊二種 牽引二種 大型自動二輪
船:一級小型船舶 特殊小型船舶 特定操縦
陸、海ともに全て一般試験で取得。
いろんなマニア

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